第4回定期便 コーヒー豆の品種

コーヒーの品種は大きくロブスタ種とアラビカ種があり、スペシャルティコーヒーは基本アラビカ種の派生品種から成り立っています。

アラビカ種の中で最も有名なのがティピカ品種とブルボン品種で、最近ではゲイシャ品種も有名になっていきます。ティピカ品種とブルボン品種はそこからさらに品種が分かれていきます。ティピカとブルボンの交配品種などもあり複雑さはさらに増しています。

 

ティピカ系品種

・ティピカ (Typica)

新芽がブロンズ色が特徴の品種です。豆は比較的大粒で、平らな形です。傾向としてトロピカルな風味が特徴的で品質のよいコーヒーです。

・ブルーマウンテン(Blue Mountain)

 ティピカ系統ではなくティピカ種そのもので、1730年にイギリスがジャマイカに持ち込んだティピカ品種が根付き名前が付けられました。その後1913年にジャマイカからケニアに持ち込まれ、ケニアのコーヒーにもブルーマウンテンとよばれる品種のコーヒーが栽培されていることもあります。

※同様にハワイコナも同様に、ティピカ種が根付いた土地の名前が名づけられています。

・マラゴジッペ(Maragogpe)

 ティピカ種の突然変異種で、ブラジル北部、マラゴジッペという町の名前から名づけられました。その豆はとても大きく巨大で、収穫量は少なめのため希少価値の高い豆となっています。

標高が高い場所で収穫されると、ティピカ同様トロピカルな風味を有する品質のよいコーヒーとなる場合が多くなります。

・ブルボン(Bourbon)

 フランス人宣教師がイエメンからブルボン島に持ちこみ、名づけられました。ティピカは新芽がブロンズ色なのに対して、ブルボンは緑色です。豆は小ぶりで収穫量は比較的多くとれます。味わいは、柑橘系の綺麗な酸味と甘みが特徴です。ブルボンは派生種が多く、有名な品種の祖先の品種にあたります。

・パカス(Pacas)

 エルサルバドルで発見されたブルボンの変異種です。パカス家の農園で発見されその名がつけられました。エルサルバドル国内では生産量の約25%を占めているといわれています。明るい酸味とまるい口当たりが特徴です。

・カトゥーラ(Caturra)

ブラジルで発見されたブルボン種の変異種です。現在中米において人気が高く、多くの生産国で栽培されています。収穫量が多く、豆は柔らかく縦長の形をしています。柑橘系の柔らかい酸味が特徴です。

SL-28SL-34

 ケニアを代表する品種です。スコットラボラトリーとよばれる研究所で選別された品種で頭文字をとりSLと名付けられました。干ばつに強く、収穫量が多く品質もよい品種です。ケニアのコーヒーに特有の風味でカシスやベリー、シトラスのような香りが特徴です。

ティピカとブルボンの交配種(ハイブリッド)

・イエローブルボン(Yellow Boourbon)

 ブルボンとイエローカトゥアイの交配種です。通常のブルボンより甘さがある場合が多く、複雑な風味を有しています。

ピンクブルボン(Pink Bourbon)

 ブルボン(レッド)とイエローブルボンの交配種とみられています。ピンク色に熟することからこの名前が付けられました。品質は非常によく、強い甘味とユニークなフレーバーが特徴的です。

・パカマラ(Pacamara)

パカスとマラゴジッペの交配種です。豆はマラゴジッペ由来の大粒で、栽培環境により複雑でかなり品質のよい風味を有する場合があります。

・ムンドノーボ(Mundo-Novo)

 ブラジルで最も有名な品種の一つです。ブルボン種とティピカ種の交配により誕生しました。ムンドノーボと呼ばれる地域で生育されていたためその名がつけられました。ブラジルのコーヒーに代表されるようなナッツやチョコレートのような香りを有します。

・カトゥアイ

 ムンドノーボとカトゥーラの交配種です。小粒で収穫量が多く、ブラジルで人気の栽培品種です。品質もよく、きれいな酸味と後味の甘味が特徴です。